任意売却とは?
任意売却とは、第三者から強制されることなく、不動産を所有者されている方自身の意思によって「任意」で不動産を「売却」することを指します。
住宅ローンなどの返済が困難になった時、借入先となる金融機関や保証会社との合意に基づき、担保となっている不動産を売却する手続になります。
略して「任売」とも言われています。
任意売却のメリット
任意売却は一般の相場に近い価格で売却できる可能性があります。
売却方法が通常の不動産と変わらないので、ご近所の方に住宅ローンが破綻したことを知られることがなくプライバシーが守られます。
また、債権者に対しより多くの返済ができるため、任意売却後の債務の返済についても、月額の固定返済など柔軟に対応してもらうことができるようになります。任意売却は、交渉次第ですが引越し費用や当座の生活資金などで便宜を図ってもらえるほか、引越しの時期なども柔軟に対応してもらえる可能性があります。
任意売却のデメリット
任意売却に限ったことではないですが、住宅ローンの返済を3ヶ月滞納した時点で金融機関の滞納者リスト(いわゆるブラックリスト)に記載されることになります。おおよそですが、7年間程度は金融機関からの借入等が出来なくなる等の影響があります。
任意売却は、一般の売却と比べて売却までの期間が短いので、手遅れになると競売になってしまいます。お早めに対策を取ることが重要です。
任意売却の流れ
1.価格査定とローン残高の確認
任意売却手続きの第一歩は、住宅の価格査定と住宅ローンの残高証明書の取得をします。
まずは、住宅の価格を査定します。残債よりも住宅の価値が高い状態を「アンダーローン」、住宅の価値が低い状態を「オーバーローン」といいます。
例えばローンの残債が3000万円の場合、物件価格が3500万円であれば「アンダーローン」、2500万円しかなければ「オーバーローン」です。アンダーローンであれば任意売却はほぼ成功したといってもいいですが、そもそもアンダーローンなら任意売却ではなく、一般的な不動産売却が可能です。
任意売却はオーバーローンの家を売却する手段なのです。
2.債権者に任意売却の許可をもらう
任意売却において一番重要なことは、金融機関に売却の許可をもらうことです。
債権者が複数いる場合は、全員と連絡を取り全員の了承を得なければなりません。
売却後も債務が残るケースでは、売却金額をどのように債務者の中で分配するかも話し合う必要があります。
また借入時に連帯保証人を立てている場合は、連帯保証人からの了承の取り付けをしなければなりません。
連帯保証人は、債務者本人がローンの返済に遅れると債権者から残債の支払いを求められてしまう立場。
きちんと話し合いをして、迷惑をかけない形で売却を進めなければなりません。
今すでに、住宅ローンの返済に遅れが生じているのであれば、なるべく早く任意売却の意思を債権者に申し出てください。
遅延が続くと連帯保証人に一括返済を迫り、それでも返済ができなければ競売手続きが進行してしまいます。
3.売却スタート
債権者との話し合いが完了したら、売却手続きに移行します。
任意売却は競売のように競りにかけられるのではなく、通常の売買物件と同じように売りに出しが開始されます。
競売では「競売物件情報」として家の住所などが公表されてしまいますが、任意売却はプライバシーが保たれるのもメリットの1つだといえます。
4.売買契約
無事、買主が見つかれば、売買契約の運びとなります。
一般的な不動産売買と同様に、決済日を決めて手付金を受領します。
ただし売主は金銭的理由のため任意売却をおこなっているため、手付金は決済日まで不動産業者が預かるのが一般的です。
5.決済及び引渡し
売買契約からおよそ1ヶ月後に、決済及び物件引渡しの日が設けられます。
売買金額は優先的に債務の返済に充てられ、諸費用、仲介手数料等が差し引かれ、交渉次第で引越し代金や余剰金として数十万円を手元に残してもらえる可能性があります。
6.債務が残れば無理のない返済計画を立てる
任意売却は、住宅ローン残債以上で売れないからこそ選択する売却方法です。そのため多くの場合、売却後も債務が残ってしまいます。
ただし任意売却では、強引に取り立てられることはまずなく、無理のない範囲で返済計画を立てることが重要です。
任意売却をご検討をされる場合、